Holy Dance

放り投げたい。



なにかしら問題に向き合ってしばらく時間が経つと、嫌気と諦めが煮詰まってこのような感情が湧きあがってくる。
問題そのものをではなく、物理的に何かをどこかへ投げてしまいたいのだ。破壊衝動ならぬ投擲衝動である。
何か、にはバリエーションがある。今手に持っている携帯電話、傍のプリントの山、こたつのテーブル。
どこか、は部屋の外、高い空、明後日の方向。挙げてみて気付いたが抽象的だ。
しかし兎角しがらみが多いこの世の中、外へ思い切り何かを放り投げることは難しいのです。
そもそも自分ノーコンですし。全身全霊でボール投げても全然飛ばずに肩痛くなるだけでしょうぞ。小中高と毎年スポーツテストやっても正しいフォームが身につかなかった人の肩の力なんて底が知れている。


いや、まあ、そんな事は別にいいじゃないか。
どうしようもなく大人気ない衝動なので、すべて脳内で処理します。
ベランダに立った(つもりの)自分は右手にあいほんをしっかりと握り締めている(気になっている)。後ろへ振りかぶった後に斜め上に向かって、一思いに、投げる。あいほんは私の手を離れ、上空へと飛ばされる。重力に逆らうが如くどこまでも空を行く。分厚い雲を突き破り、とうとう見えなくなってしまった。欲望は果たされた。清々しい顔つきで回れ右。さあ米を炊こうか。こんな日に食べるご飯はきっと美味しい。
そして2日後、街を歩く自分のほうへ降ってくる物体。間違いない。一昨日の方向からやってきたあいほんじゃないか。明後日めがけてやって来たのだ。お前元気だったか。うろたえながら両手で受け止めようとしたら誤って頭の上でワンバウンド。頭蓋骨のひりひりとした震えを知覚しながら前頭部に出来たこぶをさすり、
とここまで妄想したところでエアスローイングした肩が痛み出すのだ。


…何が言いたいのやら分からなくなってきましたが、
この文章自体が期末レポートを放り出して逃げ込んだ先だということです。
この場所はゆるく文字を綴るための安穏の地として。なにとぞ。